2016年10月公開の日本の映画。
何かいろいろな賞を取っています。
ラジオや雑誌で絶賛されていたので、気になっていた映画。
いつのまにかプライムビデオにあったので、今回観賞。
「余命2か月の母が、家族のためにいろいろがんばる」程度の知識で観ました。
かなり泣ける映画と聞いていたので、感動ヒューマンドラマみたいなのをイメージしていたのですが、ぜんぜん違いました。
どちらかというとカラッとした印象。
ただ、泣ける場面も多々あります。
かなりインパクトがあったので、観てない人のために、ネタばれしないように感想を。
この映画、見終わってからしばらく頭から離れませんでした。
何がよかったのかと考えたのですが、まず主演の宮沢りえと、娘役の杉咲花の2人がとてもよかったです。
この2人をはじめ、でている役者の演技がよかったので、物語に引き込まれました。
冷静に考えると、つっこみどころも結構多い。というかかなり多い。
ただそれをおぎなって余りあるストーリー展開、エピソードの数々、伏線の回収などなど。
宮沢りえ演じる双葉と、娘の安澄の親子の愛。
安澄のいじめに対する、双葉の姿勢は逃げないで勇気をもってというもの。
最近の世の中の流れは、「苦しかったら、逃げていいんだよ」というものが主流のように感じます。
が、制服をとられた安澄の行動は、映画の中とはいえ、「そうきましたか」と衝撃を受けました(牛乳にも)。
オダギリジョーのダメ夫ぶりには、少々イラっとしましたが、意外と現実にはこんな風にしか、見守れないのかもとも。
連れ子の鮎子も、いろいろ事件を経て、家族になっていく様子はとてもよかった。
他にも探偵親子や、ヒッチハイカーの青年、安澄の実母など、それぞれ過去や問題を背負った人たちが、物語に幅を与えます。
途中、病床の双葉を励ますために、ダメ夫の発案で全員である行動に出るのですが、探偵の小さい娘の「真由ちゃんはスフィンクスー!」というセリフは、個人的にはすごくなごみポイントでした。(ぜひ観てほしい)
いろんな場面(悲喜こもごも)がバランスよくでてくるのですが、双葉の衰えていく様子もしっかり描写されていて(痛がる様子やベッドでほとんど動けない様子など)、心に響くものがありました。
病気の人を看た経験のある人なら、なおさらだと思います。
双葉はさいご亡くなってしまうのですが、お葬式からの流れが少々というか、かなり驚きます。
この映画、さいごどのようにオチをつけるのかなと思っていたら、まさに衝撃のラスト!
社会的にみてどうなの?ともちろん思いますし、思わずネットでラストの感想を調べてしまいましたが。
うーーむ、個人的にはちょっとそれは。。。という感想です。
まぁこの映画のタイトルからして、このラストありきというか、しかたないんだけど。
ラストは賛否両論ありますが、観てない人にはおすすめしたくなる映画です。
宮沢りえはいい女優さんだと思います。(同世代)
「紙の月」や「トニー滝谷」もよかったです。
あとエンディングで流れる、きのこ帝国の「愛のゆくえ」、映画の雰囲気とあっていて良曲です。
プライムミュージックで聴けるので、おすすめします。