1999年のアメリカ映画。
アカデミー作品賞受賞。
何となく名前を聞いたことがあったので、予備知識もなく観賞。
予告編を観て、あまり気乗りしなかったのだけど、結果とてもよかった。
アメリカの幸せそうな中流家庭が、徐々に壊れていくなかで、それぞれの登場人物の真実が描かれていきます。
アカデミー作品賞というだけあって、よくできている!というのが全体の感想。
最初から最後まで、それどうなの?とかそこはおかしいとか、普通の映画でいくつかは感じる部分がまるでなかったです。
こういうのって、脚本がいいというのでしょうか。
登場人物の描き方も演技も、それぞれに感情移入?できるというか、自然に感じます。
主人公のレスター・バーナム42歳。(自分と年が近い)
このくらいの年齢で、いろいろとあきらめてるところというか、流されてる感にとても共感。
一番身近にいるはずの家族と、心が通じていないところ。
娘が小さかったころや、妻が若かったころ、あのころの幸せな世界はどこにいってしまったのか?
となりに越してきた一家も、厳格な元軍人の父親、不気味な緊張感をはらむ母親、隠れて薬の売人をしているビデオ撮影が趣味の息子。
こういう家族も世の中に一定数はいるんだろうな、と思わされるリアリティ。
夫婦関係、家族関係、浮気、薬物、同性愛、失業、銃などいろいろな問題がでてきます。
アメリカならではの問題もありますが。
ここまで見てみると、とても暗いテーマの映画に思えますが、そんなことはなくコメディタッチというか、すーっと進んでいきます。
ストーリーが進み、クライマックスにむかってさまざまな出来事がおこり、予想を裏切る事実がいくつも明らかになり、そして銃声。
そのあとのラストシーンに向けての流れは、なんともいえない美しい音楽と映像。
ネットではさまざまな感想がありますね。
人によって感じかたがだいぶちがうなと思いますが、私はこの映画、かなり心に響く映画でした。
未見の人にネタバレしたくないので、こんな書き方になりましたが、20年くらい前の映画ですがとても上質な映画だと思います。
若いころに観たら、ピンとこなかったかも。
この年齢で観ることができてよかった。